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明智あれこれ

深セン駐在を終え、日本でバリバリ働き中
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王的盛宴 (2012年公開 監督:陸川)

ネタバレどころかオタクソウルが炸裂しています。
抵抗の無い方だけお読みください。


























~ ストーリー ~

時は前漢成立後。
天下統一を果たした劉邦ですが、病に倒れ、己の死期が近いと感じます。
病床で劉邦が思い出したのは、劉邦が恐れた男達、項羽と韓信でした。

物語の前半が項羽、後半が韓信の話です。






前半は劉邦が秦を滅ぼすことを目標に挙兵するところから始まり、
一時は項羽と義兄弟にもなります。
前半最大の山場は鴻門の会なのですが、
私は自分の好きな人物に対する感情移入がハンパない分、
あまり興味のない人物や出来事は脳内で早送り気味になります。

そういうわけで、前半の印象はあまりありません。


この時代で一番好きな人物は、実は范増(項羽側の軍師)だったりするのですが、

hanzou     鴻門の会の時にチラッ

「小僧と共に謀などできるかああああ!」の名台詞も今回はありません。
項羽軍No2なのに扱いの小ささにショボン…



前半で印象に残っているのは、呂后ですかね。

ryokou     冷酷非情な皇后の作り方を見ている様

劉邦の故郷が秦兵に襲われて人質となり、拷問を受け、
助けられたら今度は項羽に捕らえられて数年間も人質になり、
やっと開放されて帰ってきたら、夫は別の女との間に男の子までもうけ、
その子が自分が産んだ男の子を押しのけて跡継ぎになってしまいそうな寵愛ぶり。

この辺の呂后の気持ちの推移を丁寧に描いたものをみたことがなかったので、今回見られたのは貴重でした。



kouu    ちなみに項羽役は香港の有名モデルだそう

ハンサムですね。


前半の感想終わり…





後半はですね、泣きっぱなしだったんです 。・゚・(ノД`)・゚・。
今思い出しながら書いているだけで泣ける 。・゚・(ノД`)・゚・。

後半のストーリーの主役は韓信です。
韓信が謀反を起こしていると劉邦は考え、粛清しようとします。
劉邦による天下統一の立役者は、張良、蕭何(しょうか)、韓信の3人なのですが、
劉邦は蕭何に韓信粛清の是非を尋ね、呂后は張良に粛清の手順を尋ねます。

syouka     韓信の朋友である蕭何と

tyouryou     韓信を兄のように慕う張良が

必死に韓信を助けようとするんです ・゚・(´Д⊂ヽ・゚・

しかし、皇帝と皇后の意見を変えることができず…



処刑するにあたって、呂后は宴と称して宮殿に韓信を呼び出します。
張良の家に住んでいた韓信を使者として迎えに行かされたのは、蕭何でした。
蕭何から宴の呼び出しを聞いたとき、韓信は自分の末路を理解します。


宮殿に向かう道のりで、
蕭何の背中を見ながら歩いている時、

senaka1


韓信は蕭何に才能を認められて、劉邦に引き合わせてもらった時のことを思い出します。

senaka2

台詞は何もないのですが、
あの時もこうやって蕭何の背中を見ながら歩いたな、的な描写で

うあ゙ぁあ ・゚・(´Д⊂ヽ・゚・ あ゙ぁあぁ゙ああぁぁうあ゙ぁあ゙ぁぁ







この映画は、いわゆる史実とされているものとは一致していない部分が結構あるのですが、
そんなことは横においてエンターテイメントとして見て欲しいです。

韓信好きな人は蕭何に対してある種のモヤモヤ感を持っていると思うのですが、
この映画では蕭何の苦悩がきちんと描かれているので、
蕭何に対するモヤモヤがないんですよ。

これは凄い。

この映画での蕭何の一連の行動は、割と腑に落ち、
実際の韓信処刑の時もこんな風だったら、韓信も少しは救われただろうな…
と思わずにはいられません。
「蕭何、騙したな!」と言うのが定番でしたから。

韓信が自分の運命を察している分、より切ないですが… (´Д⊂







劉邦と呂后が韓信を恐れたのは、項羽から受けた教訓が元になっています。
項羽は劉邦を殺す機会が何回もあったのにそうしなかったため、結果的に劉邦に殺されました。
この「災いの芽は摘んでおけ」パターンの歴史を考えるとき、いつも源頼朝を思い出します。
頼朝は敵方の平家から「子供だから」という理由で助けられますが、成長して平家を滅ぼします。
この経験がもとになったのでしょう、弟の義経が自分を裏切ったときに、妻の制止を振り切って義経の赤子を海に沈めました。

歴史は繰り返しますね。
どこの国でも。




オススメ中国時代劇は、別サイトでまとめています。
★中国時代劇★


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銅雀台 (2012年公開 監督:趙林山)

折角中国にいるのだから、大好きな時代劇の映画を見まくろう企画(´∀`)


doujyakudai1     瀋陽での記念すべき1本目

銅雀台とは、三国時代に曹操が築いた建物の名称です。

2009年に曹操の陵墓が発見された際に、殉死した20代の女性の存在が判明しました。
この映画はその話がモチーフになっているそう。


--- ネタバレはしていませんが、楽しみにしている方は引き返してください。 ---
























~ ストーリー ~

ある日突然捕らわれ、暗殺者として育てられた少年(穆順)と少女(霊雎)。
成長した二人が送られたのが、時の権力者である曹操の宮殿(銅雀台)でした。
漢王朝の復興を夢見る者のもとで、2人は曹操の命を狙います。





何の前知識もなく、ボケ~と見始めたオープニングのスタッフロールで、

staffrole    Σ(゜Д゜)

同性同名の別人か?
と思いつつ鑑賞続行。





主役の曹操(役者:周潤發 チョウ・ユンファ) 

caocao

今までの悪役ぽい風貌を見事にそぎ落とし、素敵なオジサマになった曹操。
いいのか、これで。


準主役で暗殺者の女性、霊雎(役者:劉亦菲 リウ・イーフェイ) 

yifei

息を飲むような美人ではない(失礼)と思いますが、どこか神秘的で仙女のような雰囲気をまとった彼女。
物語に独特な華を添えています。



そして 

tamaki     !∑(゜∀゜)

どう見ても玉木宏です。
暗殺者の1人、穆順役。

堂々とした演技で、役どころが板についている感じ。
この世界観にうまく溶け込んでもいます。


こんな準主役で出演しているのに、全く報道がなかったように思って調べたところ、Wiki先生がきちんと答えてくれました↓
「公開時期が、日本政府による尖閣諸島国有化と、それにともなう中国での反日運動の起きた時期と重なったために、ポスターなどから玉木宏の姿が削除された。」




別に好きでも何でもないのだけど、玉木宏も慣れない環境で一生懸命やったと思うんですよ。
役どころをしっかり理解している立ち居振る舞いとか。
吹き替えなしでの北京語とか。
こんなに良い仕事をしたのに、バカな政治のせいで代表作の1つになったかもしれない作品がなかったことになっているなんて、ほんとお気の毒。




肝心の映画自体は美術さんが遊びすぎたのか、三国志ファンからは賛否両論のようです。 

1     …?

2     !?

チャイニーズ・ファンタジーとしての鑑賞はいかがでしょう。
最高に面白い!という映画ではありませんが、絵巻物を見終わったような読後感(鑑後感?)が味わえます。





最後に

2009年に曹操の陵墓が発見されたニュースは、三国志ファンを狂喜させたことでしょう。
その話を遼寧大学の大学院生(歴史専門)の友達に話したところ、
「僕はニセモノだと思うけどね」
と冷たく言われてしまいました(´Д⊂

ガーン




オススメ中国時代劇は、別サイトでまとめています。
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